インド。それは人間の森。
木に触れないで森を抜けることができないように、人に出会わずにインドを旅することはできない。
インドにはこういう喩えがある。深い森を歩く人がいるとしよう。
その人が、木々のざわめきを、小鳥の語らいを心楽しく聞き、周りの自然に溶け込んだように自由に歩き回れば、そこで幸福な1日を過ごすだろう。だがその人が、例えば毒蛇に出会うことばかりおそれ、歩きながら不安と憎しみの気持ちを周りにふりまけば、それが蛇を刺激して呼び寄せる結果になり、まさにおそれていたように毒蛇に噛まれることになる。
インドは「神々と信仰の国」だという。
また、「喧噪と貧困の国」だともいう。
だが、そこが天国だとすれば、僕たちのいるここは地獄なのだろうか?そこを地獄と呼ぶならば、ここが天国なのだろうか?
インドを旅するキミが見るのは、天国だろうか地獄だろうか?さあ、いま旅立ちの時。
インドはキミに呼びかけている。
「さあ、いらっしゃい!私は実はあなたなのだ」
引用:地球の歩き方D28インド
突然でビックリされた読者様もいらっしゃるかもしれませんが、この引用文は有名なガイドブック「地球の歩き方_インド編」の最初のページに記されている序文です。
今回ご紹介するインド旅行は友だちと一緒に行きました。
その友だちは私よりも旅慣れていて、バックパックひとつで一人旅をする達人なんです。
そんな彼女と一緒に行った国インド。
インドは好き嫌いがハッキリと分かれる国と言われています。
「何度でも行きたくなる国」もしくは「2度と行きたくない国」という意見に二分されるインド。
今回はそんなインドの魅力を少しでもご紹介できればな~と思っています!
それでは、皆さんもインドに行った気分になってお楽しみください~♪
ちなみに、私は「何度でもインドに行きたくなる派」でした!
■目次
インド旅行の目的地と理由
インドへの旅行を決めた友だちと私。
二人で決めたというよりも、実際は好奇心旺盛で怖いもの知らずの友だちの提案に乗るようなかたちで目的地が決められました(笑)
今回のインド旅行は、ここ!
じゃーーーーん!
引用:Googleマップ
地図が拡大版すぎて一体どこだかよく分かりませんよね(汗)
是非「ーボタン」を数回押して引きで見てみて下さい!
今回の旅の目的地は、エローラ石窟群(せっくつぐん)。
西インドのマハーラーシュトラ州にある世界遺産です!
「エローラ石窟群?なにそれ?」
「なんでそんなところにわざわざ行ったの?」
このインド旅行の話を職場の同僚や友人にすると、必ずといっていいほど言われました。
ここまで読んで下さっている読者様の大半が同じことを思っていらっしゃるかもしれませんね。
あまりカッコいい理由じゃないので恥ずかしいのですが、目的地をエローラ石窟群に決めたのは「どうしてもここが見てみたい!お願い!」という友だちの希望でした。
でも!本当に行ってよかったです!
もう「感動」以外の言葉が見つかりませんでした。
エローラ石窟群のスケールの大きさは、写真ではなく、ぜひ現地に行って肌で感じてもらいたいです!
世界遺産、エローラ石窟群の魅力とは?
2018年現在、インドには37個の世界遺産が登録されています。
インド国内で初めて世界遺産が登録されたのが1983年。
なんとその中に、エローラ石窟群も含まれているんです!
ちなみに、同じく1983年に登録されたインドの世界遺産は4つです。
・エローラ石窟群
・アジャンター石窟群
・アグラ城塞
インドでも老舗の世界遺産なんだね。
エローラ石窟群は、マハーラーシュトラ州のオーランガバードから30km、車で約1時間の場所にあり、5世紀から10世紀にかけて、500年にわたって仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の寺院や僧院が造られました。
幅2kmに渡って、垂直な崖に34の石窟寺院が掘られており、構成は、向って右側から仏教12窟、ヒンドゥー教17窟、ジャイナ教5窟となっています。
これらは古い順に並んでおり、仏教石窟寺院が一番古く、ジャイナ教の石窟寺院が一番新しくつくられたものです。
引用:いい旅インド
魅力①岩山をまるごと削って造った寺院群
5世紀から10世紀に渡って造られたエローラ石窟群は、元々はひとつの大きな岩山でした。
そこからその岩山をコツコツと削り続けて造られた、というわけなんです。
言うまでもないことですが、日本のお寺や神社は木造です。
地面を均して、木材や瓦などを組み合わせて建造します。
一方、エローラ石窟群はその逆で、ひとつの岩山をひたすら削って削って造られました。
もちろんつなぎ目もありませんし、素材はすべて岩でできています。
そのため、この石窟群全部がひとつの連なった作品と言い換えることもできるんです。
約2kmに渡って寺院群が連なる姿は本当に圧巻。
このスケールの大きさはぜひ現地に行って感じて頂きたい魅力のひとつです!
もし私が作業員の一員だったら「あ!やばい!削りすぎちゃった!」とミスを連発する予感しかしません(汗)
魅力②世界でここだけ!3つの宗教が共存する場所
概要でも少し触れましたが、エローラ石窟群は仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教という3つの宗教が混在している世界遺産でもあります。
調べてみたのですが、この写真はどの宗教の像かは分かりませんでした。
自分で撮影したにも関わらず・・・ごめんなさい。
それぞれの宗教で繁栄した時代もあれば、衰退した時代もあったようです。
それでも、長期間に渡りノミとカナヅチでコツコツと彫り続けられたのは、各信者たちの強い信仰心の現れだったに違いないと私は思っています。
また、他の宗教に対して攻撃したり、破壊したりした痕がないそうです。
この事実もインド人のおおらかさや寛容さに通ずる部分があるなぁと感じます。
私もそれぞれの宗教について詳しく知っているわけではないのですが、見学しているとそれぞれの違いがなんとなく見えてきます。
専門家の方には怒られてしまいそうですが、たくさんの神様仏様がいるので勝手に物語を想像して楽しんじゃいました。
あらかじめ歴史や宗教をおさらいしてから来ると、より深く雰囲気を感じることができると思います。
もちろん、知らなくてもこの大きさ・凄さには圧倒されること間違いなし!です。
魅力③クライマックス!第16窟カイラサナータ寺院
ここを見ずにエローラ石窟群から帰ることはできません。
最初にカイラサナータ寺院を見ると他の窟がショボく見えてしまうので最後に見ましょう、と勧めているガイドブックすら存在しています(笑)
周りの裏山もぐるりと一周できるようになっていますが、ここはインド。
転落防止の柵はありませんので、近づきすぎには十分気を付けて見学して下さいね。
ちなみに、この裏山は一押しの撮影スポットでもあります!(上記の写真は私が撮影したものです)
デカン高原の地平線を望む背景と一緒に、カイラサナータ寺院を写すことで圧倒的存在感が少しでも伝わっていると嬉しいです!
また、カイラサナータ寺院を散策すると、こんなに緻密なレリーフが描かれている箇所もありました。
なにか物語があるようですね。
勝手に想像(妄想?)してみるのも楽しみのひとつです。
魅力④日本人が全然いない
私たちが行ったときは、
・インド人観光客
・学生さんらしきインド人集団(修学旅行かもしれません)
・欧米人
しか見かけませんでした。
デリーやムンバイほどの大きな観光地だと日本人に会うこともありましたが、エローラ石窟群近辺では全然日本人に会わず・・・
今回私がこの記事を書くにあたって、Instagramでエローラ石窟群(#Ellora Caves)のハッシュタグを検索してみたのですが、それでも日本人の投稿はとっても少なかったんです。
「マニアックでディープな観光地が好き。」
「日本人があまりいかないところに敢えて行きたい。」
「せっかく海外に来たから旅行先で日本語を聞きたくない。」
と考えておられる読者様には特におすすめです!
エローラ石窟群へのアクセス。拠点の街、アウランガーバード
エローラ石窟群を熱く語りすぎてしまったような気もしています。
もし「エローラ石窟群気になる!行ってみたい!」と思って下されば嬉しいです。
それでは、そんな読者様のためにアクセス方法をご紹介いたします!
私たちが実際に行った方法を基にまとめています♪
アウランガーバードからエローラ石窟群への道のり
引用:Googleマップ
エローラ石窟群に行くために、Aurangabad(アウランガーバード)という田舎町を拠点にする旅行者が多いです。
あまり大きな街ではありませんが、デリーやムンバイ等のインド主要都市から国内線が就航しています。
実際、私たちもインドの首都デリーへ入国し、そこから国内線でアウランガーバードのあるチカルサーナ空港へと向かいました!
ホテル、レストラン、屋台なども充実していて、田舎町ならではののんびりした空気を味わえます。
そして、ここアウランガーバードからエローラ石窟群に行くにはいくつかの手段があります。
- 宿泊しているホテル経由で車を手配してもらう(安全!おすすめ!)
- バスを利用する(安い!でも遅延する可能性大)
- VELTRA等でオプショナルツアーとして申し込む(安全!)
- 街の旅行会社で直接交渉する(難易度高!交渉がうまくいけば安い!)
長距離移動だったから、お金が多少かかっても安心安全を確保したかったんだ。
出発から帰国までツアー旅行で参加したいという方は、JTBさん・クラブツーリズムさん・旅工房さんなどで旅程が組まれている場合もあります。
インド旅行の場合、個人手配よりも高額になるケースが多いです。
しかし、安心さを最優先したい方には一番おススメの方法です。
アウランガーバードを旅の拠点にするもう1つの理由
実はエローラ石窟群の近くにもうひとつ世界遺産があるんです。
それが、アジャンタ石窟寺院群。
先ほど「インドで最初に登録された世界遺産」でご紹介したうちのひとつです。
引用:Googleマップ
エローラ石窟群とは微妙に方向が異なるのですが、多くのツアー旅行が、エローラ石窟群・アジャンタ石窟寺院群をセットで見学する工程を組んでいます。
なにより日本からここまで来るのが大変なので、「せっかくここまで来たんだからもうひとつの世界遺産も見ておかなくっちゃ♪」という考える方が多いのも頷けますね。
また、アジャンタ石窟寺院群は長期間自然の中に埋もれていた世界遺産としても有名です。
発見されるきっかけになったのは・・・
1819年のことです。ハイダラーバード藩王に招かれて虎狩りに参加したイギリス人士官ジョン・スミスは、虎に襲われてワゴーラ渓谷へと逃げ込みました。そのとき、彼の目に、断崖に造られた石窟群が飛び込んできたのです。放棄されてから約1000年の時が経過していました。
引用:世界遺産オンライン
1000年の時を経て発見される…なんてロマンチックなんでしょう!
アジャンタ石窟寺院群の話もしちゃうと、すごく長くなってしまうので、またの機会に紹介するね。
私たちが泊まったホテル:Vivanta Aurangabad
これはホテルVivanta Aurangabadのバルコニーから撮影した写真です。
英国式のよく手入れされたお庭を見ながらチャイを飲むという優雅なひと時を過ごすことができました♪
立地は少し郊外に行ったところですが、アウランガーバードではトップクラスのホテルです。
普段は節約志向の私ですが、これは物価が安い国だからこそできる贅沢のひとつ。
プールもありましたし、なんとバルコニーにはブランコまで!
もちろん友だちと一緒にブランコに乗ってはしゃぎました!
はしゃぎすぎた余り、写真を撮り損ねてしまいましたが・・・
旅行前には渡航先の物価もチェックしておくと、気兼ねなく楽しむことができるよ♪
ちなみに、このホテルは、TajGroup(タージグループ)というインド国内に多数のホテルを展開している企業が運営しています。
ハイアットやウエスティン等世界各国にある国際的なホテルチェーンではありません。
でも、インドらしさを味合える有名ホテルとしてすごくおすすめです!
特にホテルの内装やアメニティにインドらしさを感じました。
そんな素敵な雰囲気にたっぷり浸りたい方にはぴったり!ですよ♪
必見!私たちが泊まったアウランガーバード随一のラグジュアリーホテルの予約はこちらから!
【番外編】インドの結婚式事情
実は今回の旅行中に「お祭り?」「パーティ?」と思うような華やかでワイワイした場面を見かけました。
そのときは状況がよく分からず、スルーしてしまいましたが・・・
後からそれがインドの結婚式だったと判明しました!
せっかくなのでインドの結婚式事情を調べてみました♪
インドの結婚式の特徴は?
結婚式なんてどこの国も一緒でしょ?
挙式と披露宴をして、友達同士で二次会するんじゃないの?
なんて思っているそこのあなた!
インドの結婚式は一味も二味も違うんです!
- 人気のシーズン:10~2月
(夏のインドはものすごく暑いですからね、冬が人気のようです) - 期間:およそ3~5日
(フルコースで行う場合は10日以上かかることも!) - 費用:年収のおよそ4倍、しかも招待する側が全て負担
(ご祝儀は不要!なんと太っ腹!) - 式の内容:パレードから始まり、宗教的儀式、ダンスパーティ、ゲームと盛りだくさん!
- 招待客:誰でも出入り自由
(通りすがりの人でも飛び入り参加OK!料理も食べていいそう) - 踊るの?:もちろん踊ります!
(ボリウッド映画のように踊りまくりです)
とっても華やか!写真で見るインドの花嫁さんたち♪
引用:Instagram
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さすが結婚式ということもあって、花嫁さんのキラキラ度合いが全然違います!
頭から足の先までゴージャスなアクセサリーを身にまとう姿は、美しいの一言ですね。
日本の白無垢姿もステキですが、海外の花嫁さんもステキ♪
いろんな国の結婚式や花嫁姿が気になってきました♪
誰でも出入り自由と聞いたので、今度見かけたら是非お邪魔してみたいな!
【海外旅行体験記】インドの世界遺産エローラ石窟群まとめ
文字数も熱意も大容量でお送りしてしまいました。
旅行のことを思い出して熱く語りすぎてしまった感がありますが、「エローラ石窟群ってなんかすごいところなんだな~」と少しでも感じて頂けたなら嬉しいです♪
旅行者を魅了してやまない魅惑のインド。
汚い・危ない・おなか壊す・ぼったくられる・すぐ話しかけられる
・・・などと言われることも多いですし、それもまた事実だったりします(笑)
ですが、それらを踏まえても、友だちも私もすっかりにインドに魅了されてしまいました!
インドで起こったびっくりトラブル事例もお伝えしたいところですが、今回はここまで。
また次回の記事でお会いしましょう!
他の国の旅行体験記も続々更新中です。
是非ご覧くださいね♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪